ソフトバンクのキャンプ地の宮崎・生目の杜には今キャンプ最高の3万1100人(球団発表)のファンが訪れた。アップ前からアイビースタジアムの観客席はほぼ満員。左翼側の外野芝生席も解放して練習がスタートした。守護神・サファテの合流もあって、スタンドからの歓声はいつも以上に大きかった。「見られてナンボ」のプロ野球。好プレーには拍手と大歓声。ミスにはため息とヤジが飛んで、選手も気が抜けない。

活気あふれるグラウンドで鍛錬の日々を送っているが、同時に中長期を見据えたチーム強化にも手を打っている。前クールは2日間にわたってスカウト陣は研修会に参加した。宮崎市内のホテルで計12時間。「強い組織づくり」と題して、外部講師を招いた勉強会に励んだ。さらに、チームには今季から心療内科のドクターが月に1回程度、ヤフオクドーム、ファーム施設を訪れ、カウンセリングを行うことになった。肉体の強化はもちろんだが、心のケアも図っていこうということらしい。昨年はチームの顔でもあった川崎が自律神経を病み突然の退団。チームを心身両面でリカバーしていく方針だ。

「強さ」を保つためには競争激化は必定。心身のタフさが要求される。競争をあおりつつ、しっかりリカバーしていこうということだろう。順調に日程を消化している今キャンプだが、少しばかり疑問もある。B組(リハビリ組含む)は、宮崎でキャンプを張らなければならないのだろうか? 全軍キャンプとしての利点も多いが、練習の効率性、若手選手への競争意識の植え付け、雨天時の対応…。立派なファーム施設(福岡・筑後市)との分散キャンプの方が本来目指すべき、チーム強化が図られる気もするのだが…。【ソフトバンク担当 佐竹英治】