4番鈴木が欠場し、どうなることかと思った。開幕直後は鈴木が打たないと勝てなかった。打っても勝てない試合も多かった。ようやく4連勝というタイミングで、頼みの主砲にコンディショニング不良が発生した。チームにも少なからず動揺が走ったはずだ。

そんな状況で、チームは直後の中日3連戦で連勝を伸ばした。23日はプロ初先発のアドゥワが7回2失点と好投し、伏兵小窪がプロ初のサヨナラ打を放った。24日は、野村が今季ベストピッチで7回無失点。7番左翼に入った西川が今季初の3安打を記録し、3本の本塁打で圧倒した。25日は大瀬良がプロ2度目の完封勝ちを挙げた。まさに「神ってる」快進撃で、鈴木の穴をカバーしてしまった。

仮にこの3戦を負け越したり、3連敗したりしていたらどうなっていたか。巻き返しへの流れが、ぷっつりと断たれていたかもしれない。チームリーダーの1人、菊池涼は「得点圏に走者がいると、いつもかえしてやろうと思う。でも、絶対かえさなければならないと思うのと、連勝していて少し楽な気持ちで打席に入るのとでは、結果も変わってくる」と話す。勝ち星をつないだ意味は大きい。

開幕5カード連続負け越しからスタートした広島にとって、ターニングポイントになるであろう中日3連戦3連勝。8つあった借金は、この時点で1つに減った。鈴木の状態が心配ではあるが、王者が息を吹き返したのは間違いない。【広島担当 村野森】

広島対中日 9回裏広島2死満塁、小窪はサヨナラ打を放つ(撮影・栗木一考)
広島対中日 9回裏広島2死満塁、小窪はサヨナラ打を放つ(撮影・栗木一考)
広島対中日 9回表中日2死一塁、阿部を中飛に仕留めガッツポーズする大瀬良(撮影・栗木一考)
広島対中日 9回表中日2死一塁、阿部を中飛に仕留めガッツポーズする大瀬良(撮影・栗木一考)