リーグ再開に向けて工藤ソフトバンクは27日、福岡から空路札幌に入った。ようやく前日(26日)に九州北部が梅雨入り。ジメジメとした中で交流戦を戦うことなく8度目の制覇。「圧勝」とはいかなくても、しっかり栄冠を手にした。やはりセ界戦は強い。気がつけば、リーグ首位にも立って最高の形でリーグ戦線に戻る。

柳田、中村晃、森、岩崎、石川にサファテ…。今季はケガ人続出の異常事態。それでもシーズン半分を過ぎた72試合を戦って、38勝30敗4分け。この数字である。ファームから送り込まれる若手の活躍もあって、他球団からすれば羨望(せんぼう)を通り越して憎らしいばかりだろう。若手選手も「常勝」の中で確実に成長して相乗効果を生んでいる。「強いチーム」は、戦いながら成長しているということか。

もちろん、若手ばかりではない。チーム最年長の和田が帰ってきた。6月23日の巨人戦(東京ドーム)では、今季3度目の登板で5回81球、1失点の投球で交流戦V投手。和田にとっても651日ぶりの復活勝利でもあった。「2軍でも中6日で投げていたし、これからもそのつもりでやりますよ」。この1年半、悩み苦しみ抜いた左肩の不安も解消された。チーム目標のリーグV奪回&3年連続日本一に向けて折り返しのペナントレースは先発ローテを守り続ける覚悟だ。肩の疲労を考えれば「登板間隔はあった方がいいけども、しっかり6、7回を少ない球数で投げられればいけると思う」と自信もみせた。

首位から3ゲーム差の中に4チームがひしめく「混パ」のリーグ再開。経験値抜群のベテラン左腕がしっかり先発ローテに座ってくれれば、正念場の戦いも何とも頼もしい。【ソフトバンク担当 佐竹英治】