<ソフトバンク6-11ロッテ>◇9日◇ヤフオクドーム

「ブルペンデー」と聞けば何だか記念日のような響きにも聞こえなくもないが、ソフトバンクにとっては記念どころか「痛恨の日」となってしまった。普段はブルペン待機の松田遼が阪神時代以来、2年ぶりの先発マウンドに上がって4失点。左腕嘉弥真、高橋純を除いて繰り出す3投手が失点し、ロッテに大敗を喫してしまった。7連戦で先発投手の頭数が足りなかったとはいえ、西武戦を前に気分もめいる敗戦である。

たかが1敗と切り替えるしかないが、そう簡単に切り替えられるだろうか。勝ちパターンの継投ではない、と分かっていてもシーズンの長丁場を支えるブルペン陣の大量失点。不安を抱えたままで敵地・所沢に乗り込むことになってしまった。苦戦を覚悟していたホークスベンチも自滅的展開に士気が下がらないか不安である。

それにしても、ロッテはあなどれない。この日、岡が3回に6号2ランを放った。これが今季チーム150号。ロッテのチーム本塁打が150本に到達したのは171本塁打を記録した1986年(昭61)以来だから、実に33年ぶりだ。アーチ増は30発をクリアしている助っ人レアードの加入が大きいが、「つなぐ打線」に1発の破壊力も加わった。今季のロッテ戦は8勝17敗と大きく負け越し、ホークスにとっては課題を残した。目指すV奪回を果たしても大きな宿題が残った感じだ。「また福岡に戻ってきますから」。井口監督はそう言って球場を後にした。もちろん、CSでの対決を心に誓っている。何とも不気味な1敗となった。【ソフトバンク担当 佐竹英治】