18年ドラフト2位で阪神に入団した小幡が奮闘を続けている。ここまで36試合に出場して21安打をマーク。打率は2割5分ながら、得点圏打率は4割9厘と、勝負強さを発揮している。ドラ1入団の中日根尾、広島小園、オリックス太田と同世代の遊撃手が一躍、注目の存在になった。

7月末に糸原が右手有鉤(ゆうこう)骨を骨折。二塁手が固定されないチーム状況から8月下旬に1軍に初昇格した。さらに9月25日に遊撃レギュラーだった木浪がコロナ禍で離脱。そこから本職である遊撃にポジションを移し、10試合連続スタメン出場中と、激動の日々を過ごしている。

小幡は昨年7月、球宴休みの1軍練習に特別参加していた。そこで矢野監督からこんな言葉を掛けられた。「早く上がって来いよ。3年後に1軍というんじゃなく来年レギュラーを取るつもりでやると、1日の過ごし方も変わってくるから」。その言葉が現実になりつつある。

今年も10月26日にはドラフト会議が行われる。コロナの影響から春夏の甲子園も中止となり、「見えづらい」ドラフトとも言われる。だが、プロのスカウトは全国的には無名でも、キラリと光る逸材を必ずや発掘する。小幡の姿を見ているとそう感じる。【阪神担当=桝井聡】