秋のやわらかな日差しを受けながら、ソフトバンクは福岡・筑後市にあるファーム施設での全体練習で汗を流した。3年ぶりにリーグVを奪還。9日に行われる西武とのチーム最終戦(ペイペイドーム)を終えれば、次なる目標である4年連続日本一への厳しいロードが始まる。千葉でロッテが西武を下し、クライマックス・シリーズ進出を決めた。ロッテの戦いぶりをネット中継で見ていたが、じっくりと腰を据えて待ち構えることができる「リーグ王者」には、余裕すら感じたほどだった。

シート打撃に登板した和田(撮影・今浪浩三)
シート打撃に登板した和田(撮影・今浪浩三)

ロッテか西武か…。工藤監督にはあらゆるシミュレーションを描いていたことだろう。対戦相手はロッテに決まったが、大きく負け越した前半戦までの苦手意識も払しょくできただけに、必勝のタクトにも力がこもる。リーグV&日本一の「完全V」は3年がかりの大目標。CSを突破すれば、2年連続で巨人とのシリーズ対決。楽しみな「11月の陣」となる。

ファーム施設での練習を見ながら、少しばかり視線を先にやった。7年目を迎える工藤ホークスのスタートだ。コロナ禍の影響はまだまだ影を落とすだろう。毎年、宮崎で球音を響かせる春季キャンプは、宮崎とファーム施設での「分離キャンプ」になる可能性が出てきた。監督、コーチ、選手、スタッフ関係者など総勢150人を超える大所帯。「3密」など感染対策を考えると、かなり厳しいスキームとなる。すでに球団は分離キャンプの検討を始めているという。「来季の戦い」も始まっている。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

走塁練習をする周東。後方は中村晃(撮影・今浪浩三)
走塁練習をする周東。後方は中村晃(撮影・今浪浩三)