「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」などなど。今年33歳になる記者が子どもの時から放送されていた、いわゆる長寿アニメ。今でも時々目にしては、大きなキャラの入れ替わりや大まかな流れの変更などなく、すんなり頭に入ってくるなと感じるものだ。そんな骨太さが、長く愛される理由の1つなのだろうか。

ソフトバンク担当記者になって4年目。春季キャンプも4度目の取材となる。誰かから怒られそうでなかなか言いづらいことなのだが、毎年キャンプ取材で思うのが「新しい話題が少ない」ということだ。他球団を見渡せば、大物ルーキーや新助っ人の加入、メジャーリーガーの復帰など「目玉」となる新戦力がいる。だが、ソフトバンクでは、自分が担当した4年間では昨年加入のバレンティンがいたが、他は現有戦力の調整状況などを追いかける日々となっている。

マスコミ目線では“つらい”キャンプでも、チームは4年連続日本一。なぜ強いのか、強いチームの主力はどんな調整をし、若手がどのようにはい上がっていくのか。そんな姿に集中して取材できることは楽しみでもある。そんな中、城島アドバイザーは今年「10年後、20年後の人に『ホークスがどうやって強くなったのか』を形として残したい」と大きなビジョンを語った。選手の育成法などを記録として残し、首脳陣やスタッフが代わっても継続的に強化できるシステムを作ろうとしているという。

「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」は声優キャストの変更など転換期を迎えながら、変わらぬ面白さを保ち続けている。おそらくチームとしての“メソッド”が、かなり前から確立されていたのだろう。ソフトバンクが長寿アニメのような常勝の存在となれるか、楽しみだ。【ソフトバンク担当=山本大地】