真新しいスタイルで挑む。オリックス小田裕也外野手(31)は今オフ、1度もスイングしなかった。

「思い切って、ですね。これも試行錯誤ですよ。やっぱり、打ちたいから。12月の自主トレ期間中は、バットを持ちませんでした」

俊足に加え、素早い打球判断、堅実な送球で走者を刺す守備が持ち味のプロ7年目。今季は「攻撃での貢献。そこでの活躍も見せていきたい」と力を込める。

バットを振らなかった1カ月間には、大きな意味があった。「ここまで、オフはずっと一生懸命バットを振ってきた。ただ、その期間に新しい課題が見つかって、それをうまくシーズンに持ち込めていなかった」。全てをシーズン開幕からの143試合にぶつける。

「単純に。リフレッシュというかね。打撃の全部を、忘れるようにですね」

口にしたのは「白紙」に戻すという意図だった。今季から打撃フォームを一新。理由は「ヘッドが内に入り過ぎないように。そうなると、スイングが波を打ってしまう」からで、コンタクトまで「最短距離を意識して」寝かせていたバットを、垂直に立てる構えに変えた。

「逆転の発想」で、新境地を開く。野球人生初の試みを終えて「久々に持ってみると、結構、バットが重く感じた。バットは全く変えてないのに、ね。新鮮だった。よーいどんで、新しい構えにできた。うまくリセット。新しい自分の打撃フォームを受け入れられた」と振り返る。

「チームが勝つということを前提に、自分がそこで活躍したい。打って、走って、守って…。その準備をしていくだけです」

爽やかな顔も、ときにギラつく。【オリックス担当=真柴健】

※ツイッターアカウントは@nikkan_mashiba