コロナ禍のキャンプ取材が終わった。印象に残ったのは、オンライン集会。業務終了後、部署の先輩、後輩が集い、各地の状況、今後の見通しを重ね合った。現状下だからこそ実現した貴重な時間。多様な意見が知識の幅を広げてくれると、改めて実感した。

楽天田中将大投手(32)も8年ぶりの日本でのキャンプを完走した。1月30日の入団会見から7日後の2月6日に合流。7度のブルペン投球、2度の実戦登板。積み上げてはそぎ落とす作業に徹した。

同27日の登板後、濃密な1カ月を振り返った。

田中将 また新しい場所で顔ぶれも違うし、全然やることも違う。新鮮な気持ちでやれていると思います。

合流初日、そわそわと周囲との距離を図っているように映った。ただ、時間が自然と、その差を近づける。

田中将 いろいろと自分がコミュニケーションをとりながら、投球に関してもいろんな方面からアドバイスをいただけたりもしているし、そういうのがあるからいい方向に自分が行っているなと感じられる。すごくいい1カ月だったと思います。

首脳陣、先輩からの助言はもちろん、度々見られる後輩へ助言を送るシーンの中からも、何か発見はないか、と潜在的に意識が向いているのだろうか。立場は変わっても、変わらない貪欲な姿勢が今を作り上げている。

シーズン初登板は開幕2戦目、27日の日本ハム戦(楽天生命パーク)に決まった。本拠地での登板は、日本一に輝いた13年11月3日以来2701日ぶり。南国で過ごしたかけがえのない1カ月を、さらに熟成させる。【楽天担当=桑原幹久】