アニメ「プリキュア」シリーズのバトンタッチは見事だ。前作の最終回が終わった翌週には、間髪を入れずに新作がスタートする。今年はすでに21年度の「トロピカル~ジュ! プリキュア」を放送開始していた3月に、前作「ヒーリングっど●(ハート)プリキュア」の劇場版を封切り。映画の最後に「トロピカル-」の短編が流れ、ちょっとしたコラボで新旧プリキュアの夢の共演もあった。一般的なアニメとはタイミングの違う2月スタート(今作は新型コロナウイルスの影響もあり、2月末スタート)も印象的で、流れるように新シリーズに世代交代した。

プロ野球界でも「世代交代」は常に重要なテーマのひとつとされる。5年連続日本一を狙うソフトバンクは「1番周東」を独り立ちさせようと、願いを込めた起用を続けている。30日時点で30試合中、26試合で1番スタメン起用。打率2割前後と苦しんでいても我慢を続けるのは、何よりチームの未来を考えているからだ。

工藤監督は「肝になるところですよ。我慢することは痛みではない。必要だと思いますよ。彼には一人前になってほしい」。今季就任した小久保ヘッドコーチの思いも強いという。昨年終盤の活躍を目の当たりにした担当記者としても「1番周東」に無限のロマンを感じるのは確かだ。

周東自身は「後ろにいい打者の方がたくさんいる。ぼくが塁に出ないと。期待に応えたい」とプレッシャーを感じながら、もがいてなんとか浮上しようとしている。真のリードオフマンとして成長し、心から喜べる「ビクトリー」を勝ち取ってほしい。【ソフトバンク担当 山本大地】