<楽天3-2ソフトバンク>◇26日◇楽天生命パーク

ソフトバンクは杜(もり)の都・仙台で痛い連敗を喫した。1点差の最終9回に2死一、三塁まで攻めたがホームは遠かった。得意のはずの交流戦で予想外の失速。リーグ戦再開となって3カード目。直前のロッテ3連戦(ZOZOマリン)は2勝1分け。3カードぶりに勝ち越しを決めたもののチームのバランスはまだ完全復調とは言えない。6月は5勝9敗6分け。3試合を残し月間の負け越しが決まってしまった。

足踏みしても工藤監督はファイティングポーズを崩すことはない。長丁場のシーズンでは好不調の波は必ずある。シーズンを折り返したとはいえ、まだまだ先は長い。思い返せば、昨シーズンも苦しい船出だった。新型コロナウイルスの影響でプロ野球の開幕が約3カ月遅れた。6・19開幕戦こそサヨナラ激勝で飾ったものの、開幕月の6月は3勝6敗1分けの借金3。7月12日に楽天に勝ってようやく勝率5割に復帰した。開幕メンバーから外れた中村晃の復帰などチームとして「戦いのフォーム」が整うと一気にシーズンを駆け抜けた。終盤10月には破竹の12連勝もマークした。投打ともにリーグNO・1の戦力を保持しているのだから、焦る必要もなかろう。

気になる点があるとすれば、先発陣か。安定した力を発揮しているものの、石川、マルティネス、和田が登板する金、土、日曜の「週末カード」が3週連続で白星を挙げていない。交流戦が終了し、4日間の空白期間があったもののリーグ戦再開に合わせ、この3投手の「中6日」は崩さなかった。レイ、東浜、武田らは中10日以上を空けてリーグ戦入り。前カードのロッテ3連戦では黒星はなかった。先発投手のコンディショニングの難しさなのだろうが、ベテラン和田には連敗阻止とともに6日以来となる「サンデー白星」を手にしてもらいたいものだ。

6月は「水無月(みなづき)」と言うが「風待月」という呼び名もあるらしい。月間負け越しが決まったとはいえ、早く風向きが変わってもらいたいものだ。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

楽天対ソフトバンク 6回表、見逃し三振に倒れた栗原を前にグラウンドを見つめる工藤監督(撮影・滝沢徹郎)
楽天対ソフトバンク 6回表、見逃し三振に倒れた栗原を前にグラウンドを見つめる工藤監督(撮影・滝沢徹郎)