日本ハムから戦力外通告を受けたBC新潟出身の樋口龍之介内野手(27)と長谷川凌汰投手(26)が2軍本拠地の鎌ケ谷で汗を流している。ともに育成契約を打診され、再スタートするつもりだ。

両選手は19年の育成ドラフトで入団。樋口は去年9月に、長谷川は今年3月に支配下昇格。そろって今季の開幕1軍メンバーに名を連ねた。そこからわずか半年での悲痛の通告。プロの世界の厳しさを物語っている。とはいえ両者独立リーグの厳しい環境からはい上がって支配下を勝ち取った事実に変わりはない。樋口は「また頑張りますよ」。右肘痛を抱えシーズン終盤は実戦から離れた長谷川も「やれることはやりたい」と前を向いている。

樋口は昨年、支配下登録されるまでのイースタンリーグ成績(9月21日終了時)が、打率3割4分7厘、12本塁打、出塁率4割4分6厘と3部門でトップ。再び育成契約となったとしても、来季巻き返す可能性も十分だ。長谷川も昨季は2軍でチーム最多の30試合に登板。栗山前監督は守護神候補の1人としても名前を挙げていた。右肘が完治すれば1軍でも通用する素質を備えている。

独立リーグ出身としては珍しい20代後半で、1度は支配下を勝ち取った遅咲きの2人。ファンも捲土(けんど)重来を期待している。【日本ハム担当=小林憲治】

長谷川凌汰(2021年3月27日撮影)
長谷川凌汰(2021年3月27日撮影)