<ソフトバンク4-1日本ハム>◇25日◇ペイペイドーム

BIGBOSS旋風に負けず、ドラマチックなシナリオでソフトバンクのタクトを振る「BIGFACE」藤本監督が初勝利を手にした。開幕セレモニーでみこしに乗って登場したときにはサプライズすぎてひっくり返りそうになったが、試合でも見事な新外国人ガルビスのグランドスラムで試合をひっくり返し、うれしい監督1勝。

新助っ人の開幕満弾…。27年前のオープニングデーを思い出さずにはいられない。世界の王さんがホークスのユニホームに袖を通した1年目の開幕戦。敵地・所沢で西武との一戦は劇的だった。鳴り物入りで入団した新助っ人ミッチェルが初回に巡ってきた1打席目に左中間スタンドにライナーで満塁アーチを運び去った。三塁コーチスボックスで両手を挙げてミッチェルを迎える王監督の笑顔が忘れられない。ゲームは11-10と点の取り合いとなったが、この記念すべき王ダイエー初試合で、2本塁打を放ったのが藤本監督だった。9回に同点の2号2ランを左翼に運び、延長に持ち込んでいる。

王ホークス1勝をプレゼントした男は27年後に記念すべき監督1勝を手にした。普段は低いボイスで淡々と話す藤本監督だが、さすがに興奮していたのだろう。試合後は、珍しく声がうわずっていた。無理もなかろう。戦前は「平常心」と語ったが、押せ押せムードもあと1本が出ない戦況にベンチでもどかしさを感じていたはずだ。そこに飛び出したガルビスの値千金弾。興奮しない方がウソである。

戦い方は千差万別だ。先発投手からイニングごとのように代わる日本ハムの投手起用には「攻め」ながらも「押されて」いた。7回先頭でガルビスを代打起用した一手が、ズバリ流れを変えた。【ソフトバンク担当 佐竹英治】