広島の新人野手2人の貢献は、効果的な働きを見せるグラウンド上だけではない。21年ドラフト3位で入団した中村健人外野手(24)と同6位の末包昇大外野手(25)は特にベンチ内での存在感が際立っていると評判だ。

長く広島の盛り上げ役を担い、今季開幕ダッシュの立役者の1人でもある上本は2人を認める。「雰囲気がめっちゃいい。中村健人と末包がめっちゃ声を出す。暗くなるときがない」。

声の大きさ、遠くからでも通る声質は春季キャンプから記者やファンも感じていた。シーズンが始まり、試合の中で出す声の質もまた、高いという。上本は「僕はつくった元気だけど、あいつらは本物」と認め「一戦必勝の声」と表現する。ただ声を出す、明るくするだけではいけない。流れのある試合の中でチームを鼓舞する掛け声はセンスもいる。負ければ敗退となるトーナメントを経験してきた社会人野球出身の2人だからこそ発揮できる能力なのかもしれない。5月6日現在までリーグ2位タイの逆転勝利7度の裏には、2人の「新声力」がある。【広島担当 前原淳】

中村健人(2022年3月30日撮影)
中村健人(2022年3月30日撮影)