<日本生命セ・パ交流戦:ソフトバンク8-0広島>◇29日◇ペイペイドーム

一塁側ベンチに戻ったソフトバンク和田は、悔しげに何度も奥歯をかんだ。日米通算150勝に王手をかけ、今季初白星から中6日で上がった先発マウンド。左腕にとって11年ぶりの広島戦登板は、通算27勝の交流戦単独最多勝利もかかっていただけに、気合十分の投球だった。

ソフトバンク対広島 ソフトバンク先発の和田(撮影・屋方直哉)
ソフトバンク対広島 ソフトバンク先発の和田(撮影・屋方直哉)

「今日は初回から状態はすごく良かった」。降板後に広報に託したコメント通り、最高の立ち上がりを見せた。初回、先頭野間に直球勝負。空振り三振を奪った4球目は自己最速となる149キロをはじき出した。プロ20年目。41歳のベテラン左腕は衰えどころか「進化」を見せつけた。

3回まで3つの空振り三振を奪い無安打無失点投球。打線も2点を奪って中盤の踏ん張りどころを迎えてアクシデントが起きた。4回、先頭野間に初ヒットを許し1死一塁から3番西川に内野安打。一、三塁のピンチとなってマグブルームを右飛に仕留めたが、左ふくらはぎがつった。一塁ベンチ裏で治療後、再びマウンドに戻ったものの、投球練習2球目に左太もも裏もつって無念の交代となった。4回途中62球。「足がつってしまい、チームにも(2番手の)松本にも迷惑をかけてしまった。次の登板に向けて、しっかり体の状態を整えてチームの力になれるように頑張ります」。直後に打線は大量4点を追加しただけに、悔やまれるマウンドとなった。

ソフトバンク対広島 4回表広島2死一、三塁、足がつり痛がる和田(撮影・屋方直哉)
ソフトバンク対広島 4回表広島2死一、三塁、足がつり痛がる和田(撮影・屋方直哉)

試合後、藤本監督は「スピードも出ていたし、飛ばしとったからね。ゲームはしっかり作っている。何とか勝たせたかったけどね」とチーム最年長選手の奮投をたたえた。次回登板は間隔を開けて交流戦最終カードとなるヤクルト3連戦(ペイペイドーム)になる可能性が高い。ベテラン左腕のリベンジに期待したい。【ソフトバンク担当 佐竹英治】