阪神村上頌樹投手(24)は宮崎で闘志を燃やしていた。ちょうど取材を行った時、1軍がCSファーストステージ3戦目のDeNA戦で劇的勝利。ファイナルステージに進出を決めた日から一夜明けだった。「移動中も見ていた」という右腕はある選手の活躍を口にした。その選手は阪神湯浅京己投手(23)だった。

湯浅は今季、中継ぎでフル稼働。ポストシーズンでは守護神を任され、同戦ではサヨナラ負けの可能性もあった9回1死満塁を押さえ込んだ今季のヒーローの1人だ。村上が1年目のシーズンは湯浅も2軍公式戦で18試合登板。鳴尾浜でともに練習をしてきた仲間のブレークに刺激を感じていた。

「去年はファームにいた湯浅が最後、あんなふうに抑えているところを見た。これで、ファームにいても次の年には、努力すれば活躍できることが証明された」

1年目はキレのある直球で相手を翻弄(ほんろう)。ただ、今季は変化球に頼ることが多く、直球を軸に変化球を投じる理想の展開に持っていくことができなかった。

その反省を糧にフェニックスリーグでは真っすぐ威力を磨き、課題克服の日々。同リーグでの登板はほぼ直球勝負で、球質をより良くするために試行錯誤している。目指すは21年8月以来の1軍昇格だ。「自分もめげずに頑張っていきたい」。来季で3年目を迎える背番号41が、ネクストブレークに名乗り出てみせる。【阪神担当 三宅ひとみ】