ソフトバンクが18日に宮崎秋季キャンプを打ち上げた。2年連続で優勝、日本一を逃した悔しさを胸に「厳しさ」をテーマとして若手らが自らを追い込んだ。徹底的にバットをふりこんだ野手陣もさることながら、斉藤和巳投手コーチ(44)が新たに加わった投手陣が精力的に動いているように見えた。

これまでキャンプでは、投手陣は投球練習などを終えた後はそれぞれのペースでランニングや体幹トレーニングをこなし、全体的に野手よりも早めの時間に練習を終える印象があった。今回は全員そろってランニングメニューを行い、全員で室内練習場に移動してトレーニング。それから個別練習を行い、夕方に球場を後にする姿が多く見られた。

斉藤コーチは「これは学さん(斉藤学投手コーチ)が、そういう形でこの秋はやりたいと言われていたので。ある程度、競争意識もあおりたいというのもあったでしょうし。1人1人が自覚を持ってできる選手が多ければ、そういう形にはならなかったと思う。それはそういうメッセージも多分あると思いますね」と、選手たちに「厳しさ」を求める上でのステップだったことを明かしていた。

何より大事なのは、本格的なオフに入る今後の過ごし方だという。斉藤コーチは「みんながいると練習がしやすいのは誰もが感じること。これからは団体で動くわけではないですし、特に12月っていうのは個人で動くところも多々出てくる。1人でやるっていうのは甘えも出やすい状況にもなる。そこで自分を律してやれるか。考え方を変えないと行動は変わらない」と、それぞれに自覚を求めた。

斉藤コーチの「エース道」を注入され、意識を変えた投手陣は冬を越えて、2カ月後の春季キャンプでどんな姿を見せるのだろうか。【ソフトバンク担当 山本大地】

シート打撃登板を終えた甲斐野(左)と話し合う斉藤コーチ(右)(2022年11月9日撮影)
シート打撃登板を終えた甲斐野(左)と話し合う斉藤コーチ(右)(2022年11月9日撮影)