今季キャリアハイの8勝を挙げた阪神才木浩人投手(24)は、他の選手と変わったスタイルで普段から練習に臨んでいる。

シーズン中の試合前練習や投手指名練習では毎回、背番号35の縦じまユニホームでグラウンドに現れる。他の選手は球団から支給されている練習着で練習を行うのがほとんど。才木がユニホームで練習するのはプロ入り前の須磨翔風(兵庫)時代からのルーティーンなのだという。

「あえて、練習で違う服を着てもなって。それなら試合に近い状況をいつも作っていた方がいいかなって」

先発投手は毎週、ポール間走やダッシュ、ブルペンなどで調整して登板日に向かう。その際も試合に近い体の状態で練習する方がなじむ、という論理だ。20年11月に右肘のトミー・ジョン手術を受け、同年12月に育成契約を結び直した。支配下登録に向けてリハビリしていた時もユニホームを着て練習を続けた。試合でベストを尽くしたい気持ちが練習時から強いからだと言える。

昨季は7月3日中日戦で1159日ぶりの白星を挙げ、復活勝利をつかんだ。今季は6月4日ロッテ戦で佐々木朗との投げ合いに勝ち、プロ初完封。8勝をあげるなど、1歩ずつステップアップしている。

「1年間ローテーションを守り抜いて投げる、規定投球回まて投げられるのかはすごい大事。クリアできるように頑張りたいです」

来季もマイルールを貫き、さらに飛躍する。【阪神担当 三宅ひとみ】

阪神才木浩人(2023年11月16日撮影)
阪神才木浩人(2023年11月16日撮影)