プロ2年目の阪神野口恭佑外野手(23)が奮闘している。22年育成ドラフト1位で入団。昨年11月に自慢の打撃が岡田監督の目に留まり、支配下登録を勝ち取った。沖縄・宜野座での春季キャンプでは1軍完走。フリー打撃で柵越えを連発し、怪力をアピールした。だが、2月の1軍オープン戦では4打数無安打。再び2軍で汗を流している。2年目シーズンに挑む若虎へ、九産大の恩師・大久保哲也監督(61)がエールを送った。

創成館(長崎)から入学してきた当初は体が大きい方ではなく、「そこまで飛び抜けた感じではなかった」という。だが、打撃には光るものがあった。「ミート力もよかったし、長打力もある。バッティングに対しての非凡な才能を持っているなという感じでした」と明かした。

豪快な1発が魅力だが、大久保監督が太鼓判を押すのはミート力だ。「(一番の強みは)芯で捉える確率が高い、ミート力の良さだと思います。ミート力は持って生まれた天性みたいなところがあるでしょうから、そこはあまり指導はしてないです」と話す。

昨季はウエスタン・リーグ67試合に出場し、打率3割3厘、6本塁打、18打点とコンスタントに成績を残した。大久保監督も時間が合えばスポーツチャンネルで阪神2軍戦をつけ、陰ながら応援していた。2年目となる今季、求められるのは1軍投手への対応力だ。

「チャンスをモノにするには、一番見られているバッティングでアピールするしかないと思います。実際のピッチャーと対戦したときの対応力ですよね。長打もありますけど、その前にまずはヒットを打つことが大事。とにかく食らいついて、チャンスをモノにしてほしい」とメッセージを送った。

野口は23日のオリックスとのオープン戦(京セラドーム大阪)で、右翼・森下の負傷の影響で1軍に合流。逆転での開幕1軍を目指したが、結果を残せなかった。背番号97は「課題は明確。ファームでいかに意識してやれるか。また急に(1軍に)呼ばれたときでもいけるようにやっていきたい」と決意を新たにしていた。たぐいまれな打撃センスとハングリー精神で、一気の活躍を目指す。【阪神担当=村松万里子】