7月末、ずっと気になっていたことを阪神大山悠輔内野手(29)に思い切って聞いてみた。

「ミミちゃん、ラテちゃんに会えなくて寂しくなったりしないんですか」

愛猫家としても知られる大山。24年シーズンには「大山選手 キャットシリーズ」として、自身と愛猫のラテちゃん、ミミちゃんのイラストが描かれたグッズも販売された。

遠征が多く、自宅に帰れる日も少ないプロ野球。特に阪神では夏場に「長期ロード」も待ち構える。今季は8月1日の巨人戦を最後に、31日の同戦まで約1カ月、本拠地甲子園を離れた。癒やしの存在に会えず、寂しくないのだろうか。ロード直前に質問した。

「寂しいですけど、仕事なので」

少し困ったように笑みを浮かべながら、写真などを見て癒やされていることを教えてくれた。その力強い言葉には主砲としての強い責任感を感じた。

今季は開幕時から下半身のコンディション不良の影響で打撃の状態が上がらなかった。打率が1割台に低迷した6月には約2週間の2軍再調整を経験した。

鳴尾浜で鍛錬の日々。「自分が打てなかった責任。戻った時に戦力として、チームのためにできるように、この時間を大切にやっていきたい」。若手とともに大粒の汗を流し、声を出して白球を追いかけた。同21日に1軍復帰。得点圏打率リーグ2位の3割5分4厘の勝負強さで優勝争いまでけん引した。

「TORACO DAY」として多くの女性ファンが訪れた8月20日のヤクルト戦(京セラドーム大阪)では7回と8回に適時打を放ち、チームも快勝。愛猫の間でほほ笑む自身のイラストが描かれたグッズを手にした、多くのファンを喜ばせた。「(グッズを持ったファンを)もっと増やせるように頑張ります」。愛猫たちに癒やされ、全力プレーで勝利に導く。それが猛虎の主砲の「仕事の流儀」だった。【阪神担当 村松万里子】