今季のロッテは最終戦までCS進出を争った。9月24日に西武に4-12で敗れ、4位が確定。目の前で胴上げされる屈辱を味わった。圧倒的な強さで日本一になったソフトバンクに対して17勝8敗。それでもシーズンは69勝70敗4分け。大型連勝も連敗もなかったが要所で「あと1勝」を逃してBクラスに終わった。わずかでも大きな差は、どこにあったのか。

7月16日の西武戦、源田(奥)に先制の適時打を浴びるロッテ涌井
7月16日の西武戦、源田(奥)に先制の適時打を浴びるロッテ涌井

くだんの西武戦で勝利していれば、3位楽天と0・5ゲーム差でシーズン終了。プレッシャーをかけて楽天の結果を待てた。直接対決で勝ち越しているロッテは、ゲーム差で並べばCS進出が決定した。しかも、楽天の最終戦の相手は連覇のかかる西武。死にものぐるいで勝ちに来ただろう。勝負の世界に「たられば」は禁句でも「あと1勝していれば…」と考えずにはいられない。

一進一退のシーズンだった。最大連勝が4で最大連敗が5。大きな連勝もなければ、連敗もない。井口監督は最終戦後「今年は5割の壁に何度もはね返された。過程となるシーズンになったが、目標はそこではない」と言った。夏場以降に失速し、借金22で終えた昨季を考えれば大きくチームは前進した。しかし、優勝という目標を達成するにはまだ課題がある。

「あと1勝」の鍵を握るのは対西武だ。印象的な試合がある。球宴明けの7月16日。同15日に、加入したレアードのチーム今季100号弾などでメットライフドームで今季初勝利を挙げた次の試合。

通算40勝40敗2分けと借金を完済。西武との対戦成績も7勝7敗1分けとイーブンに戻して臨んだ。1-4で敗れて以降、西武に対して1勝9敗と大きく負け越すことになる。

気温の上昇とともに調子を上げてきた西武に対し、力負けを喫する試合が続いた。接戦を拾えず、山賊打線に屈して一方的になるゲームも。ここ一番で欲しい1本も出ず、残塁とストレスがたまった。ソフトバンクに対してあれだけ白星を稼げるチーム。地力がないはずがない。ではこの結果は、なぜ起きたのか? 消えない疑問を胸に、フェニックスリーグが行われている宮崎へ飛んだ。(つづく)

【久永壮真】