35号ソロを放つ巨人坂本勇人(2019年9月7日撮影)
35号ソロを放つ巨人坂本勇人(2019年9月7日撮影)

タイトル争いも大詰めを迎えた。9日現在、坂本勇人(巨人)は打率5位、本塁打2位、打点5位と、セ・リーグの打撃3冠部門ですべて5傑入り。本塁打はソト(DeNA)と1本差で、自身初の本塁打王を狙える。過去に遊撃手の本塁打王は1リーグ時代の44年金山次郎(産業)と84年宇野勝(中日)だけ。坂本勇が本塁打王を獲得すれば遊撃手では35年ぶり3人目だ。

打てる遊撃手が増えてきたが、遊撃手の「タイトルホルダー」はまだ少ない。これまで打撃3冠部門のタイトルを獲得した遊撃手は首位打者4人、本塁打王2人、打点王2人。葛城隆雄(大毎)が58、59年と連続打点王になったが、59年は三塁手に転向しており、遊撃手では全員が1度しか取っていない。守備位置別の打撃3冠部門のタイトル獲得回数を調べると、外野手の186回が最多で、2位は一塁手の137回。獲得回数が1桁は遊撃手だけだ。遊撃手が打撃3冠タイトルを取ることが、いかに大変かが分かる。

坂本勇は16年に首位打者になっており、本塁打王を取れば3冠部門で2個目の勲章。遊撃手には同一タイトルを2度獲得した選手がいなければ、3冠部門の異なるタイトルを手にした選手もいない。もちろん、こんなケースは遊撃手だけ。首位打者に続き、本塁打王を獲得し遊撃手初の快挙なるか。坂本勇のバットから目が離せない。

遊撃手のタイトルホルダー
遊撃手のタイトルホルダー