今季は新人選手の活躍が目立つシーズンになっているが、DeNAの牧秀悟内野手(23)もその1人だ。開幕戦でスタメンデビューすると、4月までに6本塁打。8月にはサイクル安打を達成し、10月から4番に抜てき。規定打席もクリアして、打率2割9分8厘、22本塁打、67打点の好成績を収めている。(成績はすべて17日現在)

規定打席に到達したDeNAの新人
規定打席に到達したDeNAの新人

DeNAの新人が規定打席に到達するのは牧で8人目だが、大洋時代の67年松岡以来、実に54年ぶりだった。03年には25本塁打した村田がいたが、打撃不振や右手首骨折もあり、104試合に出場も規定打席には届かず。50年以上も規定打席をクリアした新人が出なかったのはセ・リーグでは唯一で、不名誉な記録もストップさせた。

牧の成績では本塁打に目がいくが、打率では58年近藤和彦がマークした2割7分を上回る球団新記録が濃厚。打率の順位も現在リーグ8位で、3割に届くかも注目されるが、新人では球団初の打率10傑入りが見えている。

打撃3部門すべてリーグ10傑入りした新人
打撃3部門すべてリーグ10傑入りした新人

牧は打率だけでなく、本塁打、打点でも10傑入りが狙える。打撃3部門でリーグ10傑入りした過去の新人を調べると、打率10傑入りは26人、本塁打は35人、打点は25人。3部門すべて10傑入りは、3冠も狙えた58年長嶋(巨人)など過去7人だけだった。牧は打率、本塁打が10位以内だが、打点は11位。残り6試合で打点を上積みできれば、98年高橋(巨人)以来の快記録になる。

35セーブの栗林(広島)に2年目で9勝の奥川(ヤクルト)、23本塁打の佐藤輝、27盗塁の中野(阪神)など新人王は例年にないハイレベルな争いになっている。牧が新人8人目の記録をクリアすれば、さらに新人王争いから目が離せなくなりそうだ。【多田周平】