ソフトバンクがサヨナラ勝ちで2年ぶりの日本一に輝いた。第6戦のポイントなどを野球評論家の西本聖氏に聞いた。

 -ソフトバンクが最後は粘るDeNAを振り切った

 西本氏 ソフトバンクの強さというか底力をあらためて感じた。9回の土壇場で同点ホームランを打った内川。それと3イニングを無失点に抑えたサファテ。最後は選手とベンチの思いが一つになったなと思った。

 -DeNAも勝つチャンスは十分にあった

 西本氏 悔しい負けだった。ポイントは8回の守り。1死三塁から砂田が柳田をボテボテの投ゴロに打ち取った。しかし一塁に投げて三塁走者の生還を簡単に許してしまった。あそこは三塁走者の動きを見ないといけない。それと速い打球、遅い打球、いろんなケースを考えて準備する必要があった。三塁走者は飛び出していたのだから十分アウトにするチャンスはあった。結局あの1点が9回の内川の同点弾の呼び水となった。悔やまれるプレーはもう一つある。11回の守り。1死一、二塁から松田が三ゴロ。三塁手の宮崎が三塁ベースを踏んで一塁に投げたが送球が逸れて併殺が取れなかった。ゲッツーが取れていればチェンジ。12回はサファテは登板できなかったはずでDeNAにも十分に勝機が訪れたはず。大事なところでのミス。この反省を来季に生かしてほしい。

 -この試合をDeNAが取って3勝3敗になっていたらどっちが勝ったか

 西本氏 DeNAにも十分チャンスがあった。それだけに2つのミスが悔しい。やるべきことをやってダメなら仕方がないが防げたはずだから。ただソフトバンクを苦しめた。勝った工藤監督が「苦しかった」と話したがまさにその通りだったと思う。日本シリーズを戦って自信もついたと思う。

 -来季、DeNAの課題は

 西本氏 大事な場面でのミスを無くすことはもちろんだが、いかにして1点を取る野球ができるか。強いチームになるには幅広い点の取り方ができることが必要。送りバントや足を使った野球ができればさらにチーム力はレベルアップする。それが見えた日本シリーズの6試合だった。