プロ野球キャンプも後半に入り練習試合が始まった。野球評論家の西本聖氏に巨人、阪神、中日、日本ハムの4球団の試合をテレビ観戦でチェックしてもらった。

 -まずは巨人から。宮崎キャンプを視察し「マイコラスの穴は簡単には埋まらない」と話した。18日の中日戦(那覇)では菅野、田口に続く先発3番手が期待される山口俊、FA加入の野上亮磨、新外国人のヤングマンが登板した

 西本氏 初登板ということだったが山口俊(2回1安打無失点)、野上(2回6安打6失点※自責0)ともに現状では苦しい。山口は心配だ。本来は150キロ近いボールを投げられるはずなのに140キロちょっと。今季は真価を問われる大事なシーズンなのにキャンプで何をやっていたのかと。マシソンやカミネロは150キロ以上を出している。物足りない内容だったと言わざるをえない。野上もスピードが出ていないし置きにいっている。このままではきつい。

 -ヤングマン(2回1安打無失点)はどうか

 西本氏 直球は145キロくらい。マシソン、カミネロのどちらかを(1軍登録から)外してまで使うのかどうか。自信を持って「いけます」とは言えない。

 -巨人の投手陣全体の印象は

 西本氏 全体的にボールが高い。それと体全体のキレがない。日本ハムや阪神の投手は体がキレている。

 -野手はどうか

 西本氏 2年目の吉川尚、新人の田中俊が元気だった。岡本は振りは良くなってきたと思う。キレが出てきた感じがする。あとはゲームの中でどこまでひと皮むけてくれるか。

 -新外国人ロサリオの加入で打線が強化できそうな阪神は

 西本氏 小野、才木の若手2人が楽しみ。まだちょっと制球力に欠けるところはあるが直球が素晴らしい。それと石崎が良かった。フォームが安定してきた。踏み込んだ左足が動かない。投げ終えた後のフィニッシュがいいからコントロールが良い。リリースポイントも一定している。

 -復活が期待される藤浪について

 西本氏 まだ心配は心配。テークバックが小さくなって去年よりは良くなっているかなという感じ。これから開幕までどこまで調整できるか。自信を持ってシーズンに入れるか、そこを注目していきたい。

 -注目のロサリオについて

 西本氏 バッテリーから見て崩すのが難しい打者。右にも大きいのが打てる。島田、植田という足を使える選手も出てきた。今季の阪神は非常に楽しみ。

 -中日はどうか

 西本氏 又吉があまり良くなかったが2年目の柳が良くなっていた。フォームが固まり内、外へしっかりと制球できている。

 -小笠原は

 西本氏 現状に満足せず、もうひと皮むけてほしい選手。まだちょっとボールが全体的に高い。

 -最後に日本ハムについて。2年目の堀瑞輝投手(19)が18日の阪神戦で2回1安打無失点4奪三振と快投。最速は147キロが出ていた

 西本氏 今回見た中で一番良かった。マウンドでの立ち姿がいい。打てるなら打ってみろという雰囲気が出ている。右打者の膝元に入るクロスファイアも素晴らしいし将来のエース候補。先発で育てていってほしい。それと150キロ以上が出ていた石川(直也=4年目)も面白い。まだフォームにバラつきがあるが、制球の確率、精度が上がってくれば楽しみ。

 -斎藤佑樹はどうか。2回を1四球のみで無失点に抑えた

 西本氏 ここ何年かとあまり変わっていない印象を受けた。抜けるボールが多いし、直球が低めに垂れてしまう。頑張って欲しいというのはあるが、うーん、変わっていない。