ソフトバンクが3連勝で3年連続日本一に王手をかけた。野球評論家の西本聖氏に第3戦のポイントなど聞いた。

-同点で迎えた4回表、巨人は3番手に今シリーズ初登板の高卒ルーキー戸郷を起用した。1死一、二塁から投手のバンデンハークは投手前に送りバント。処理した戸郷は三塁に送球。タイミングはアウトだったが、握り損ねたかワンバウンドになる悪送球で満塁。代打長谷川勇に初球を犠牲フライされ勝ち越しを許すと、今宮には内野安打されて再び満塁。柳田に押し出し四球。さらにデスパイネに2点タイムリーを打たれ決定的な4失点

西本氏 三塁に悪送球した時点で戸郷は頭の中が真っ白になっていたと思う。シーズン終盤にデビューしたとはいえ、舞台は日本シリーズ。相当なプレッシャーがかかるもの。そこにきて痛恨のミス。完全に自分を見失ってしまったのではないか。そのへんの投手心理を考えればベンチはここで交代させるべきだった。経験の浅い投手の精神状態を把握しないといけない。ソフトバンクが長谷川勇を代打に出してきたところで高木に代えてもよかったと思う。彼はこういう場面で経験が豊富だし、傷口を少しでも浅くしておきたかった。

-巨人は亀井が2本塁打したが、坂本勇、丸、岡本が無安打に終わった

西本氏 ソフトバンクのバッテリーの攻めがうまかった。このシリーズでは巨人打線が合っていないボールを徹底して使ってくる。第1戦は千賀だったこともあるが速いボール。そして今日は遅いボール。カーブをうまく使っていた。

-巨人は3連敗であとがなくなった

西本氏 第1戦も三塁手の失策から失点。この日は戸郷の悪送球、さらに9回には増田の走塁ミスもあった。とにかくつまらないミスをしないこと。あとは(第4戦先発の)菅野に託すしかない。何とか意地を見せてほしい。ジャイアンツはこのままでは終われないと思う。

4回、降板を告げられる巨人3番手の戸郷(右から2人目)(撮影・加藤諒)
4回、降板を告げられる巨人3番手の戸郷(右から2人目)(撮影・加藤諒)