<イースタンリーグ:日本ハム4-3DeNA>◇19日◇鎌ケ谷

球界が再びコロナ禍に襲われている。相手が急きょ、西武からDeNAに変更になった日本ハムの2軍戦を取材した田村藤夫氏(62)は、再調整中の万波中正外野手(22)に「我慢」を説いた。

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コロナが再び球界を直撃している。日本ハムの1軍も陽性者がたくさん出た。2軍から選手が上がっていったが、万波はこの日もファームの試合に出ていた。今季1軍で10本塁打。それでも呼ばれないのは、まだ「課題克服」の途上だからだろう。

◆第1打席 高めのボール球気味のまっすぐを振って三振

◆第2打席 外角低めのスライダーに泳がされショートゴロ

◆第3打席 高めのボール球気味のまっすぐを振って三振

◆第4打席 ベルトあたりの高さの外角まっすぐをセンター前ヒット

第1打席、相手捕手は万波を追い込んでから中腰に構えた。第2打席は一転、低めを攻め、第3打席は再び高めのボール球で空振り三振を奪う。ピッチャーは右腕の阪口。高めが好きな万波が、多少ボール球でも振ってくることをわかったうえで、高低に配した。

万波の課題は追い込まれてからのバッティング。1軍の打率が2割1厘と低い理由の1つだ。この日、第4打席は左腕高田をとらえたが、そこまでの3打席、注文通りに打ち取られたのを見る限り、まだまだ克服途上と感じた。

1軍で本塁打を10本打っているが、長距離ヒッターではない。ヒットの延長がホームラン、というタイプ。追い込まれるまではフルスイングでいい。追い込まれてからは「我慢」が必要だ。フルスイングではなくコンパクトスイング、そしてボール球には手を出さないこと。捕手目線で彼に助言するならば「同じ打ち取られ方を繰り返すなら甘いボールは来ない。そこをファウルで逃げたり、ボール球を振らずに我慢すればチャンスは必ず来る」となる。

新庄監督は万波に大きな期待をかけていると思う。だからこそ、コロナで1軍選手が足りなくなっても万波をすぐには上げず、課題克服を優先させているのではないだろうか。とはいえ、オールスター後には1軍の打順を固定したいとも言っている。ノンビリはしていられない。万波にとって今が正念場かもしれない。