【2015白球メモリー:能代松陽・野呂田遼太郎投手(3年)】

 秋田南との準決勝、2点を追う5回から2番手救援。残り5回を2安打無失点に抑えたが、味方打線は1点を返すにとどまり、2年連続の決勝進出を逃した。春に利き腕の左肩を痛め、本格的に投球を再開したのは大会2週間前。エース番号を背負って初戦から全4試合に登板したが、すべて救援で先発機会はなかった。

 それでも初戦、3回戦と2戦連続の逆転サヨナラ勝ちに貢献。だが「何事3度」はならなかった。県準Vの昨夏も経験。「チームに迷惑をかけ、先発でも中継ぎでも勝つために貢献するつもりだった」と涙をこらえた。さまざまな思いを背負って挑んだ高校生活最後の夏は終わった。「後輩たちはこの悔しさを忘れず、公式戦を勝ち続けて来年こそ日本一を実現してほしい」。13年に学校統合。過去3度の甲子園出場実績を誇る能代商の伝統と精神を受け継ぎ、身をもって後輩たちにつないだ。