天理が春夏連続出場へ王手をかけた。1年生の神野太樹外野手が、3打数2安打2打点の大活躍。投げては左腕・森浦大輔投手(2年)が4安打完封で逃げ切った。

 2回だ。「背番号20」の1年生神野が初球の直球を中前に先制打。「センターから右にしか打てないので、ああいう打球が多いんです」。3回2死二塁で回ってきた2打席目は、2球目のチェンジアップを右中間への適時三塁打を放った。3年生の冨木と行っている「イメージ・トレーニング」の成果だった。試合前に投手を想定して「1球目は内角のボール。そして2球目はチェンジアップを右中間へヒット」と、お互い口で実況しながら打つイメージづくりをしていた。

 同じ1年生の早実・清宮幸太郎内野手(1年)について「意識はしていないですけど、気になる存在です」と話す。名門のメンバーのなか、1年生が堂々とスタメンで2打点の活躍。橋本武徳監督(70)は「(神野は)まだまだ、やらなければならないことが多い」と、周囲が持ち上げるのを戒めるが、決勝でも先輩を押しのけて、ヒーローの座を奪い取る可能性は十分だ。【坂祐三】