第88回選抜高校野球大会(3月20日から12日間・甲子園)の出場32校を決める選考委員会が29日、大阪市の毎日新聞大阪本社で開かれ、戦力以外の要素を加味する21世紀枠は、瀬戸内海にある小豆島(香川)のほか、東日本大震災で被害を受けた釜石(岩手)、阪神大震災の被災地となった長田(兵庫)が選出された。小豆島と長田は春夏通じて初出場。

 一般枠では、1924年の第1回大会を制した昨秋の神宮大会王者、高松商(香川)や、史上3校目の春連覇を狙う敦賀気比(福井)など29校が選ばれた。

 【選考事情】一般選考では地区大会の上位校が順当に選出され、青森、福井、高知は2校が名を連ねた。

 関東・東京は花咲徳栄が最後に滑り込んだ。東京2位の二松学舎大付は1年夏に甲子園で活躍したエース頼みの点が減点材料となった。2枠の東北、北信越、東海は決勝進出の2校が問題なく切符をつかんだ。

 近畿は5校目の智弁学園まで順当だったが、最後の6枠目は準々決勝で明石商にコールドゲーム負けした市和歌山が手にした。好投していた主戦投手に代打を出し、2番手投手が崩れたが、チーム力が評価された。滋賀学園に延長14回の末に敗れて4強入りを逃した報徳学園(兵庫)は打線の迫力不足に注文がつき、明石商が選ばれていたため地域性を考慮した。

 中国・四国は6校目で開星と済美(愛媛)の比較となった。中国大会王者の創志学園の好投手から8安打を放ったことが決め手となり、開星を選出。九州は順当に4強のチームが選ばれた。

 21世紀枠は東の釜石、西の小豆島が満場一致で決定。残り7校から3校に絞った後の多数決で長田が宇治山田(三重)八重山(沖縄)を上回った。被災地であることに加え、同じ敷地内に併設される定時制、通信制の学校と同じグラウンドを使う厳しい練習環境を克服したことが光った。