早実(西東京)の清宮幸太郎内野手(2年)が走った! 5日、千葉・成田のナスパスタジアムで行われた佐倉(千葉)の創部120周年記念招待試合に「3番一塁」で出場。第1試合の8回に先頭で四球を選ぶと、次打者の2球目に二盗をマークした。2試合8打数2安打で本塁打はなかったが、豪快な打撃と体格に似合わぬ走力で周囲を驚かせた。

 迷いはなかった。184センチ、97キロの背番号「3」が、カウント1-0からスタート。低い重心の走りで二塁へ向かった。捕手の送球もそれ、滑り込んで盗塁を決めた。ノーサインだった。清宮は「(盗塁は)最近、割とやってます。あんまりね、『シーッ』ですよ」と、右手人さし指を口元にやってニヤリ。50メートル走は6秒5。決して遅くない。「自分は無警戒な時が多いので、スキがあれば行きたい」。意表を突く走塁に意欲十分だ。

 目指すは「ON砲」の“いいとこどり”だ。尊敬するソフトバンク王会長の後輩として、巨人長嶋終身名誉監督の母校と対戦。高校通算47発のスラッガーは「長嶋さんは華のある選手。自分も人を魅了するプレーに憧れる」と目を輝かせた。第2試合の5回には、右翼席ポール際へ場外ファウル。巡回していた消防車に直撃するかという打球に、観客はどよめいた。「日本一のスラッガーを目指してやっていきたい」。王会長のような本塁打を量産するパワーに、長嶋終身名誉監督のような華を兼ね備え、2年連続の夏の甲子園切符をつかみ取る。【鹿野雄太】