俊足選手ぞろいの静岡学園ナインが、大洋(現DeNA)で編成された俊足3人組「スーパーカートリオ」の屋鋪要氏(57)に直接指導を受けた。先週末、静岡市の同校練習場で対面。50メートル走が5秒台という1番鈴木響将(3年)、2番真継弘伎(2年)、3番塚本就介主将、6番西山大登(ともに3年)による俊足4人組「スーパーカーカルテット」らが、走塁スタート法などを伝授された。

 一塁ベース付近で走塁時の顔の向き、手の位置、タイミング、リードの距離など実技を交え、細かいアドバイスを受けた。助言を吸収した塚本主将は「スーパーカートリオの屋鋪さんに少しでも追いつけるように努力したい」と目を輝かせた。機動力野球を熟成させるため、人脈をフル活用し「元祖」の同氏を招請した安田龍一監督(38)は「走塁とともに打撃もバットの軌道、インパクトに力が伝わるための体の使い方を教えていただいた」と感謝の言葉を口にした。

 屋鋪氏は「選手みんなが頭の良さそうな顔をしている。ボクが目指す野球は(安田)監督と同じで、考えること。考えて野球してほしい」と熱いエールを送り、静岡学園の躍進を期待していた。【藤中栄二】

 ◆屋鋪要(やしき・かなめ)1959年(昭34)6月11日、兵庫・川西市生まれ。右投げ両打ち。三田学園から77年、ドラフト6位で大洋入団。85年には1番高木豊、2番加藤博一に続く3番として愛称「スーパーカートリオ」で活躍。86年から3年連続盗塁王。94年に巨人移籍。95年に引退後、巨人でコーチを務めた。現在、少年軟式野球国際交流協会の理事。現役時は178センチ、75キロ。