2年連続の甲子園出場を目指す北海は、7回コールド勝ちで恵庭南に快勝した。

 大黒柱の不在をチームでカバーした。昨夏甲子園に出場した北海が恵庭南を10-0の7回コールドで下し、2年連続の南大会進出を決めた。背番号11の2年生左腕、多間隼介が6回2死まで無安打と好投を続け、7回2安打無失点で仕事を果たした。攻撃では4回に4番佐藤佑樹三塁手(3年)のソロ本塁打で先制し、チーム15安打を放って大量得点。昨秋、今春と2季連続で地区で敗退していただけに平川敦監督(45)は「1つ壁を越えられた」とほほ笑んだ。

 エースで主将の大西健斗(3年)はベンチから試合を見守っていた。2日の札幌旭丘戦で右手中指の爪を割った。代わりにマウンドを託された多間は「大西さんが投げられないプレッシャーがあった。負けたら3年生は引退なので」。今春の地区代表決定戦の札幌日大戦で完投し、敗れていた。だが、先輩の夏を終わらせまいと、左腕を振った。

 そんな後輩の姿に目を覚ましたのが、昨夏の甲子園で2年生ながらプレーした佐藤佑。相次ぐケガで昨夏以来の復帰を果たした主砲は、1、2回戦ともに無安打だったが、今夏初の会心の1発を皮切りに、3打席連続安打で3打点を挙げた。「打って(多間に)余裕を持たせてあげようと思ったし、自分の気持ちも楽になった」。チームにとってのピンチが不調からの脱却へのきっかけとなった。

 昨年頂点に立った南大会。復帰できる見込みの大西は「チームを勝利に導きたい」と意気込む。全国最多36度の夏の甲子園出場を誇るチームは投打ともに万全の態勢を整えて、2年連続の聖地を狙う。【保坂果那】