2度の雨天再試合を経て始まった仕切り直しの試合も接戦となった。2-2で迎えた9回、逗葉が連打と相手の守備の乱れなどで3点を奪った。だがその裏、秦野総合は3連打で無死満塁とすると、内野ゴロの間に1点を返し、犠打で2死二、三塁のチャンスをつくった。

 打席に入った山形大外野手(3年)は前進守備の右翼頭上を抜く当たりを放った。2人の走者が返って同点。さらに中継プレーがもたつく間に、俊足の山形がホームに生還して、一気にサヨナラ勝ちした。「コーチャーが腕を回していたので、何が起きたか分からなかったけど走りました。みんながベンチから出て来て喜んでくれてうれしかった」と山形の目には涙が光っていた。

 幕切れと同時にグラウンドには、逗葉のナインが崩れ落ちた。3度の試合、すべてに先発した福西将太郎投手(3年)は「外そうとした球が甘くなってしまった。1球の怖さを知りました」と悔し涙に暮れた。