プロ注目の50メートル走5秒59の俊足選手、佐野日大(栃木)五十幡亮汰内野手(3年)の最後の夏が終わった。1点を追う9回裏2死一、二塁。一打サヨナラの場面で迎えた第5打席。カウント2-2から見逃し三振に倒れ、その場で崩れ落ちた。この日、内野安打2本に盗塁も決めて俊足を披露したが、悲願の甲子園には届かなかった。無念の幕切れに「自分で決めるつもりで臨んだが打てなかった。甲子園に行きたかった」と目を赤くして悔しがった。

 中学3年の13年、全日本中学校陸上競技選手権大会で陸上のサニブラウン・ハキーム選手(17)を退けて100メートル、200メートル2冠を達成。陸上の名門校からの誘いもあったが断った。「陸上は野球のために始めた。夢はプロ野球選手」。走攻守そろった選手を目指し、今夏開幕後も特打で200球ほど打ち込んだ。

 今後の進路は未定だ。だが、「上のレベルに行って足だけではなく守備や打撃も磨きたい」。この悔しさを次の舞台で晴らす意気込みを見せた。【秋吉裕介】