磐城の先発エース左腕・戸田開斗(3年)が5回1/3を1安打無失点の完璧な投球を見せ、安積との伝統校対決を10-0の6回コールドで制し、4年ぶりの準々決勝に導いた。上手から120キロ台後半の直球とスライダーをテンポよく内角へ投げ込み、許した走者は内野安打1本と死球1個。「野手がノーエラーで守ってくれたおかげ」と胸を張った。

 戸田の好投に打線も乗った。1番田部圭太朗外野手(2年)が4安打を放つなど、初回を除く2回から5イニング連続得点で圧倒した。伝統校安積から徒歩約15分のホーム開成山野球場での試合に戸田は「意識はしてなかった。アウェーになることは分かっていたが、心の準備はできていた」と余裕の表情を見せた。

 春夏通じて9度(春2夏7)甲子園に出場するも、最後に出場した95年から20年間も遠ざかり「夏に強い磐城」の金看板はさびついてしまった。21日の日大東北との準々決勝に向けて戸田は「相手の打線は打力がある。低めにていねいに投げていきたい。1戦1戦やるだけ」と力を込めた。春の県大会では聖光学院を撃破し、実力は証明している。学校創立120周年の今年に新たな歴史をつくる。