滝川西のエース右腕、鈴木が雪辱を果たした。「自分の中できてると感じた」という直球を主体に、帯広大谷打線を2安打1失点。5回以降は無安打で反撃を許さなかった。「絶対リベンジしようと思っていたのでうれしい」。今春の全道大会で4回5失点、3-8で敗れた相手を見事に封じた。

 エースにふさわしい気持ちを備えた。今大会初戦旭川実戦の延長11回1失点に続いての好投。小野寺大樹監督(41)は「センス抜群。器用で何をやらせても良い」と認める。だが6月、地区大会直前の練習試合で自分勝手な投球に走った。「ベンチで怒らない」という同監督だが、すぐにカツ。試合後、親の前でも再びカツを入れた。鈴木は「打者だけを見過ぎていた。1人じゃ勝てないとわかった」と反省。今大会は味方がミスしても笑顔を見せ「次はお前のところに打たせるぞ」と声をかけるほど気持ちに余裕を持つ。

 準優勝した昨夏に続いて4強入り。周囲の期待も高まっている。この日まで24回を1人で投げている右腕は「しっかり休んで準決勝につなげたい」と見据えた。【西塚祐司】