柴田が延長13回サヨナラ勝ちで、夏4連敗中だった昨夏準優勝の利府を7-6で下し、強豪公立ダービーを制した。10回に遊撃からマウンドに上がった急造の熊谷諒太投手(3年)が公式戦初登板にも動じず4回2安打無失点。最後は13回裏無死満塁で途中出場の9番西岡俊之介内野手(3年)がサヨナラ遊撃内野安打を放ち、両軍合計31安打の死闘に決着をつけた。

 3時間20分の死闘の決着を、ネクストバッターズサークルで見届けた。延長13回無死満塁。1番熊谷諒は9番西岡のサヨナラ打を見た瞬間、両腕を上に目いっぱい伸ばし、生還した三塁走者に抱き合って喜びを爆発させた。

 「必ず打ってくれると思った。ヨッシャーと叫んじゃった。疲れました」

 投手歴約2カ月弱の熊谷諒の力投がサヨナラ勝ちを呼び込んだ。先発のエース右腕岩佐公太(3年)が5点のリードを守りきれず、9回15安打6失点でKO。同点に追い付いた10回に、遊撃からマウンドに上がった熊谷諒は、無心で腕を振って攻撃のリズムを生み出した。「テンポよく投げれば、野手も守りやすい。負ける気はなかった」。平塚誠監督(44)に気の強さを買われて、6月から投球練習を開始。練習試合で最長2イニングしか投げてない男が、公式戦初登板となった夏本番で躍動した。