全国高校野球選手権の開会式が8日、甲子園球場で行われ、3年ぶり9回目の出場となる日本文理(新潟)は17番目に入場し、堂々と行進した。開会式後の午後4時からは鳴尾浜臨海公園野球場(兵庫)で練習し、鳴門渦潮(徳島)との1回戦(12日)に備えた。

 開会式の入場行進。日本文理ナインは横浜(神奈川)に続いて17番目に登場した。校名がアナウンスされると同時にスタンドから大きな拍手が起きた。

 新潟大会優勝旗を手にチームの先頭を歩いた笠原遥也主将は感じた。「他の学校より拍手が大きい」。瞬間、鳥肌が立った。号令をかけた永田翔也内野手(ともに3年)も「校名を呼ばれたときにゾクッとした」。開会式の独特な雰囲気。選手は純粋に感動した。

 特別に行進の練習をしたわけではない。それでも呼吸はピッタリ。昨秋から行っているように、永田の号令に合わせ、一糸乱れずグラウンドを踏みしめた。笠原主将は「行進して『これから始まるんだ』と思った」。川村啓真右翼手(3年)は「緊張はしなかった。やはり開会式は人が多かったです。試合がもっと楽しみになった」。全員が初舞台となる「聖地」甲子園で、大会開幕を実感した。

 開会式後は鳴尾浜臨海公園野球場で約1時間の練習。バントと守備を中心に調整した。前日7日を完全休養にあてたため、疲労は取れており、コンディションはいい。笠原主将は「あとは試合に集中する」と鳴門渦潮戦に向け、気を引き締めた。【斎藤慎一郎】