18年前春、選手として甲子園に出場し、準々決勝で智弁和歌山に破れた国学院栃木・柄目直人監督(35)は、試合後、開口一番「悔しいっすね、本当に。十分に戦えるものはあったんですが」と、感情をあらわにした。

 敗戦の原因の1つにあげたのは守備。1回裏、無死一、二塁で先発の水沢龍太朗投手(3年)が左越え三塁打を浴び、さらに守備の乱れで4失点。

「守りはまだまだ力が足りないと思いました。智弁和歌山の打球はとても速かった。ノックでもっと速い打球を捕らせていたら…。全国を考えた時には、もっと練習の質を上げなければいけないと思いました」と悔やんだ。

 18年前、智弁和歌山に2-10で敗れた悔しさから、指導者として甲子園に帰ってこようと誓い、ここまでたどり着いた。

「私が高校の時は、自分たちの野球が見えていなかった。甲子園で智弁和歌山の野球を肌で感じ、強打の大切さを教わった。指導者として、これまで智弁和歌山のような強打のチームを作りたいと思ってやってきた。(18年前と比べ)距離は縮まったと思う」と手応えを口にした。このままでは終われない。「必ず、夏、リベンジします!」と力強く話した柄目監督。甲子園への挑戦はまだ始まったばかりだ。