２戦連続の“阿部寛弾”はならなかった。

　３回戦の明徳義塾（高知）戦でサヨナラ逆転本塁打を放った、日本航空石川・原田竜聖外野手（３年）は３打数無安打１四球だった。８回無死一塁の最終打席では二飛に終わり「芯を食ったけど、ボールの下をたたいてしまった」と悔やんだ。

　同校の上田耕平コーチの「緊張した時、我に返るものを見つけろ」の教えから、甲子園では打席に入る前に左翼スタンドの「阿部寛」の広告を見ることがルーティン。明徳義塾戦の本塁打を放った打席前には「阿部さんが笑ってる…」と名俳優も“後押し”していた。この日も「阿部さん」を見てから打席に。「自分の中ではリラックスして入ったんですけど…」とそれまで通りと同様に挑んだが、結果につながらなかった。全国レベルのピッチャーと対戦し「芯に当たる確率が多くて自信になった」。収穫もあった聖地に、また戻ってくるつもりだ。