常葉大菊川は、榛村(しんむら)大吾投手(3年)の公式戦初完封で、浜松城北工に9-0。優勝した16年以来、2年ぶりの決勝進出を果たした。決勝は明日27日、草薙球場で行われる。

 常葉大菊川の榛村は、最後の打者から121キロのチェンジアップで空振り三振を奪った。奪三振5、被安打6、四死球2で公式戦初完封。浜松城北工打線を完全に抑え込み、マウンドで歓喜の声を上げた。「次は漢人(友也=3年)に投げてもらうので、自分の気持ちを投球で出せたと思います。最後まで投げさせてもらい楽しかったです」。

 前日24日の準々決勝静岡商戦。榛村は7回表にダイビングキャッチを試みて、利き手の左手人さし指を負傷した。交代してアイシングなどの処置を施し、この日の朝に状態を確認。腫れが引いていたことでマウンドに立った。継投を視野に入れていた高橋利和監督(32)から途中で声を掛けられても、「大丈夫です、行けます」と即答。結局、9回を投げきり、高橋監督に「衝撃的です。いつも『疲れた』と言って守るので。決勝は漢人と2人で投げてもらいたい」と言わしめた。

 榛村の好投に強力打線も応えた。5回には先頭打者の根来龍真捕手(3年)が、高校通算9号ソロ、6回には主将の奈良間大己内野手(3年)が同19号2ランを放つなどで9得点。伝統のフルスイングに加え、選手1人1人が考えたことを打席で実行する。その連鎖が、計4試合40得点の結果に表れている。根来は榛村へ感謝を込めて言った。「トレーニングを頑張っているので、今日の完封は自分のことのようにうれしく、援護できてよかった」。

 この結果、エース漢人は肩を休め、中2日で決勝のマウンドに立てる。堅守も健在。奈良間主将は「ここまで来たら、絶対に負けたくない。甲子園に行きたいです」と言葉に力を込めた。【大野祥一】