仙台育英(宮城)が継投で7-0と古川工を完封し、2年連続27度目の出場をつかんだ。2-0の6回表無死満塁で2番手登板した背番号10右腕・大栄陽斗投手(2年)が、2者連続見逃し三振に一飛と、無失点でしのいだ。エース右腕・田中星流投手(3年)から引き継ぎ、4回4安打4奪三振無四球の好投に「2点とられて同点までなら良いと言われてマウンドに上がったが、絶対にゼロに抑えようと思った」。得意のスライダーを外角に決めた。

 内野手との兼任でもあり、打者としても貢献。登板直後の6回裏1死一塁から右越え適時三塁打でリードを広げた。次の打席でも左前安打を放ち、チーム5連打で3得点を奪って大差をつけた。「打撃が得意なところも見せられたので、甲子園でも、投打に3年生のために貢献したい」と謙虚に話した。

 系列校の秀光中から、今年1月に就任した須江航監督(35)も「田中も頑張っていましたが、中学の頃から一緒にやってきて、苦しい場面を乗り越えてきたので大栄を信じました」。元部員の飲酒喫煙により、対外試合禁止処分を受けていた6月上旬までは部内を4チームに分けた対抗戦で、試合感覚と競争心を向上させた。就任1年目で100回大会に臨む同監督は「全員が同じ練習をしてきた中で選ばれた20人が、気持ちを背負っていることが強さです」と東北勢初の頂点に挑む。【鎌田直秀】

 ◆仙台育英 1905年(明38)創立の私立校。生徒数は3077人(女子1303人)。野球部は30年創部で、部員121人、マネジャー2人。甲子園は春12度、夏27度目。主なOBにヤクルト由規、ソフトバンク上林誠知、楽天西巻賢二ら。仙台市宮城野区宮城野2の4の1。加藤雄彦校長。

◆Vへの足跡◆    

2回戦8―1気仙沼向洋

3回戦8―3仙台一

4回戦5―2角田

準々決勝3―0東北学院

準決勝5―2仙台三

決勝7―0古川工