今秋ドラフト上位候補、智弁和歌山・林晃汰内野手(3年)の早すぎる夏が終わった。「満足はしていない。この夏は打てなくて、結果が出なかった。でも楽しくできたので、それが一番かなと思います」。

 初回1死二塁のチャンスで空振り三振。5回1死一、三塁でも三振に倒れるなど好機で1本が出なかった。7回1死から右前打を放ったが、3打数1安打2三振。「最後まで自分の感覚がつかめていなかった。それでも打たないといけない」と言い訳はなかった。

 今大会前、林は高嶋仁監督(72)と練習中に目が合うたびに「好きなように打て」と言われていた。今年のセンバツ前は反対に「3本(塁打)打て」とはっぱをかけられたが、実力通りの結果を残せず。高嶋監督は、甲子園で伸び伸びしてほしいという思いを込めて、今回は「好きにせえ」と声をかけていた。

 試合後、林は「1年生の春から出させてもらった。恩返しの気持ちでしたが、最後まで迷惑をかけて、申し訳ない気持ちです。全国制覇をプレゼントしたかったです」と高嶋監督への思いを口にした。

 高嶋監督は林に「全然だめですね。雰囲気がなかった。まだまだ未熟者。智弁のクリーンアップですから。厳しい言葉ですが、上で野球をやるなら、肝に銘じて上がっていってほしい」と厳しい言葉を並べた。林の実力に期待するからこその、温かいエールでもあった。