浜松開誠館が6-4で浜松修学舎を退け、11年ぶり4度目の県大会出場を決めた。公式戦初先発の青木蓮太朗投手(2年)が、4失点完投。決勝逆転3ランも放ち、投打で活躍した。西部では、浜松商、浜松西、浜松市立も県切符を獲得した。袋井商、袋井、掛川西、浜松学院、東部の富士宮西、桐陽、三島南、星陵が敗者復活戦からの県大会出場に王手をかけた。中部では、清水桜が丘と駿河総合が決勝に進出した。

背番号6でクリーンアップを打つ青木が、投打で輝いた。公式戦初先発で完投、3ランまで放った。打順は3番で右打ち。少し違いはあるが、今夏、甲子園を沸かせた大阪桐蔭の根尾昂内野手(3年)をほうふつとさせた。試合後、取材陣から「根尾選手を思わせる活躍でしたね」と振られると、照れながら言った。

「レベルが違うので、意識はしていません。でも、僕も1年秋からレギュラーで出場している以上、自分が『やらないといけない』とは思っています」

投げては2回に制球を乱し、4失点。逆転を許したが、自力で立ち直った。「3回から投球の歩幅を狭め、フォームのブレを修正しました」。これがはまり、3回以降は、相手に三塁を踏ませずに無失点。メンタルの強さと修正能力の高さを見せた。

フォーム修正前の失点は、自分のバットで取り返した。2点ビハインドで迎えた4回表1死一、二塁。外角高めの直球を強振した。打球は左翼芝生席に飛び込み、決勝逆転3ランになった。青木にとって公式戦初本塁打が決勝打になり、「気持ち良かったです。後はみんなのために全力で投げました」。

元中日外野手で就任2年目の佐野心監督(51)は、新チームに手応えを持っており、「右肩上がりに来ていると思います」。一方で「残塁が多すぎます」と、8残塁の攻撃を課題に挙げた。殊勲の青木は「センバツ出場が目標です。県を勝ち抜き、東海で勝負できるチームになりたいです」。根尾のように聖地で輝くべく、今後も二刀流を続ける。【古地真隆】