金足農・吉田輝星投手(3年)が日本代表として初登板を果たした。9回に登板すると、マウンドに向かう吉田にこの日一番の大歓声がわき起こった。

マウンドに立つと中堅の大阪桐蔭・藤原恭大外野手(3年)に体を向けて、登板前のルーティン「侍ポーズ」。またも球場は吉田を待ち望んでいた大歓声に包まれた。

初球は高めに浮いた145キロの直球。2球目は死球を与えたが、続く打者から148キロの直球で空振り三振を奪い、一塁走者も二塁封殺。最後はこの日最速タイの149キロの直球で投ゴロに仕留めた。久しぶりの登板にも「春先くらい、体が自由自在に動いた。体が動きすぎて、球がいきすぎるなと」と調子の良さを感じ取っていた。

初登板を終えた吉田について、永田裕治監督(54)は「ここまでゆっくり来ましたんで、思ったより早く登板できた。投げられたうれしさもあるんじゃないですか。大事に使いたいと思います」と話した。

準優勝した夏の甲子園では881球を投げ、登板過多を心配する声もあったが「あれくらいの球数でケガをしていたら、次のステージではできないと思います」ときっぱり。「クローザーも経験した。どこでもできるイメージができた」と頼もしいエースが加わった。