高校日本代表が、スーパーラウンド初戦の台湾戦を前に、左腕投手対策で「秘密兵器」を投入した。

この日、室内練習場で行われた試合前のフリー打撃に登板したのは、高千穂(宮崎)の左腕・工藤泰治投手(3年)。台湾投手陣には、マリナーズと契約したエース左腕の張投手ら好左腕がメンバー入り。その対策として急きょ練習に参加したとみられる。最速148キロの李、同148キロの林ら本格派右腕対策で、最速150キロ右腕の星稜・奥川恭伸投手(2年)も登板した。

前日6日に宮崎県高野連を通じ打診され、午後3時半過ぎの全校集合後に工藤には打診された。工藤は「何かやっちゃったかな、と最初は焦った。話をもらった時はびっくりした」と驚いたが、快諾した。

最速134キロで球種はスライダー、カーブ、チェンジアップ。今夏は宮崎大会で初戦敗退したが、大学でも野球を続けるため引退後も練習に参加していた。登板前に「緊張するけど、楽しみです」と話した左腕は大阪桐蔭・根尾昂内野手(3年)、報徳学園・小園海斗外野手(3年)、野尻幸輝投手(3年)らに約100球投げ込んだ。この日、「4番一塁」で先発する野尻には真ん中の球を捉えられ「代表はやっぱり違う。いい経験になった」と汗を拭った。投げ終えると、代表メンバーからはねぎらいの声をかけられた。明日以降も登板予定だ。