花巻東(岩手2位)がコールド負け寸前の7点差をはね返し、昨年の決勝で敗れた聖光学院(福島1位)に12-10で大逆転勝ちした。3回で1-8と劣勢だったが、5-8の8回に1点差に詰め寄り、なお1死二、三塁。2番中森至外野手(2年)がこの日4本目となる2点左前適時打で逆転した。外角直球を逆方向に流し「アウトコースにしぼっていた。体を開かずに打てた」。打った瞬間、左手で大きくガッツポーズを繰り出した。

「逆転の花東(はなとう)」のDNAは脈々と受け継がれていた。5回終了後のベンチでは、佐々木洋監督(43)からゲキが飛んでいた。「このままじゃ終われないだろ。先輩たちは乗り越えてきたぞ。5点はワンチャンスで入るから」。すると直後の6回先頭、中森が左前打を放つなど2得点でコールド敗退圏内から脱出。8回は持ち味の底力を発揮し、打者12人の猛攻で7点を奪って逆転した。

先発の左腕中森はこの日、3回途中8安打6失点でKOされていた。「点差を広げて次に渡してしまった。打撃で貢献しようと思っていた」。今日15日の準々決勝は仙台育英と激突する。167センチ、65キロの小柄な投打二刀流は「雰囲気を落とさずにやれた。この逆転は自信になる」と2年連続のセンバツ出場を視野に入れた。【高橋洋平】