日大三(西東京)のプロ注目の本格右腕・井上広輝投手(2年)が10日、対外試合解禁後初のピッチングを披露した。茨城の強豪霞ケ浦を相手に、先発の井上は3回を投げ2安打、4奪三振で無失点に抑えた。

東京・町田の同校の硬式野球場には、巨人長谷川スカウト部長をはじめ西武など数球団のスカウトが集まり、井上の今季初登板を見つめた。

前日9日の早稲田佐賀との練習試合後に取材に応じた井上は、最近のピッチングについて「監督さんや部長の三木さんには、質のいいボールになっていると言っていただきました。今は10割で投げなくても、8割くらいの力で、全力に近いボールが行くようになりました。冬にターンダッシュなどで体を作ってきましたので、下半身に粘りが出てきました」と、自信を見せていた。

初回は先頭打者に初球のストレートを右前打される。犠打で1死二塁と得点圏に走者を背負ったが、3番打者を内野ゴロに、4番打者には力のあるストレートで攻め、最後はフルカウントから変化球で空振り三振に仕留めた。

2回は2三振と内野ゴロ、3回は先頭打者に右前打を許すが、三振、内野ゴロ、外野フライで危なげないピッチングだった。46球を投げ、特に2回の2死走者なしから7番打者を2球で2ストライクと追い込み、3球目は外角に威力十分のストレートで見逃し三振に打ち取った球は圧巻だった。前日には「日本一を狙ってやっています。どんな状況でも自分のピッチングで絶対に大丈夫と思える準備をしていきたいです」と、責任感を示しており、言葉通りの初登板となった。

また、同じくプロ注目の広沢優投手(2年)は3番手で登板。力のあるボールで三振を奪う場面もあったが、7回、8回の2イニングで、いずれも先頭打者に四球を与え、制球に課題を残した。試合は日大三の守備に乱れがあり、2-5で敗れた。