第91回選抜高校野球大会が23日、阪神甲子園球場で開幕した。開会式では、3年ぶり10度目出場の八戸学院光星(青森)の選手が堂々と行進。

大阪府内で約2時間の練習を行い、初戦に備えた。

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八戸学院光星の大江拓輝(たつき)外野手(3年)が、開会式の大声援に力を得た。

「目指していた場所に、ようやく来た。本当に人がいっぱい。自分が見られている感じがした」と興奮した。甲子園での野球初観戦は、幼稚園年長時の阪神-広島戦だった。

「阪神の鳥谷選手が逆方向にサヨナラ本塁打を打ったんです。打球も歓声も雰囲気もすごかったのは、今でも覚えています。甲子園に憧れた最初の1日です」。東大阪市の自宅から父裕さん(41)と足を運んだ光景が、甲子園出場を目指すスタートだ。学生時代はバスケットボールをしていた父が、本やネットで学んだ野球の技術を教えてくれた。

「今も誰よりも応援してくれる存在。光星で野球ができることも親のおかげ。感謝の気持ちを甲子園の打撃で伝えたい」と恩返しも誓う。今季練習試合初日に智弁学園(奈良)戦でチーム初本塁打。21日の京都学園戦では3安打で締めた。「調子は良い。自分が引っ張れるのはバッティング。流れを変える一打を見せたい」。鳥谷のような長打を再現する。【鎌田直秀】